
- 車のエアコンを使うと嫌な臭いがしてきて、とても不快・・・
- カビ臭がするんだけど、室内でカビが発生している?
- 快適にエアコンを使えるようにするには、どうしたらいいの?
車のエアコンを入れたとき、鼻につく嫌な臭いを感じたことはありませんか?カビ臭とも酸っぱい臭いともいえない、独特で嫌な臭い・・
原因はカビの発生や細菌の繁殖などが考えられます。対策をしないと、臭いが酷くなったり、余計に修理の金額がかかってしまうことも。
この記事では、エアコンの臭いの原因を解説し、臭いの予防対策3選と臭いが発生したときの解決方法を紹介します。この記事を読めば、なぜ嫌な臭いが発生するのかがわかり、的確な対策をとることができます。
臭いの発生を抑えるポイントはカビや細菌を発生させないことです。嫌な臭いを我慢してエアコンを使うことのないように、しっかりと対策していきましょう。
よくある嫌な臭い|カビ臭と酸っぱい臭いの発生条件

エアコンを使ったときの嫌な臭いはカビ臭と酸っぱい臭いに分けられます。2つの臭いの原因はカビや細菌の繁殖です。車の室内はカビと細菌が発生・繁殖しやすい条件が揃ってしまうときがあります。発生・繁殖の条件は以下の通りです
項目 | カビ | 細菌 |
発生温度 | 20~30℃で活発に発生 | 20~40℃で分裂し増殖 |
湿度条件 | 60%以上で活動が始まり、80%以上で急速に増殖 | 60%以上で増殖が進み、80%以上で急速に増殖 |
必要な栄養 | ホコリ・皮脂・食べ物カスなど | ホコリ・皮脂・食べ物カスなど |
臭いの種類 | カビ臭 湿ったような臭い | 酸っぱい臭い |
嫌な臭いはどこから?|エアコンフィルターとエバポレーターについて解説

エアコンシステムで臭いの発生元になりやすいのが、エアコンフィルターとエバポレーターです。エアコンフィルターとエバポレーターは役割・作用から、カビや細菌の温床になりやすい場所です。まずは役割・作用について解説します。
エアコンフィルターの役割・作用|空気中のゴミやホコリを捕捉する

エアコンフィルターはエアコンの風をキレイにする作用があります。車内に取り込んだ空気中のゴミやホコリを、室内やエアコンの各部品に堆積させないように捕捉することが役割です。
エアコンを使用し続けていると、エアコンフィルターはゴミやホコリによって目詰まりします。エアコンフィルターの性能を維持するためには、定期的に点検が必要です。
エバポレーターの役割・作用|車内の空気を冷やす

エバポレーターの役割は、車内に取り込んだ空気を冷やして快適な室温を保つことです。エアコン作動時、エバポレーター内部でエアコンガスが蒸発することにより、エバポレーター周辺の熱を奪います。これが空気を冷やす冷却作用です。
エバポレーターには除湿作用もあります。エバポレーターが冷されると空気中の湿気が結露して水滴になることで、除湿されるのです。結露した水滴はエアコンユニット内に溜められ、ドレーンホースより室外へ排出されます。
エアコンフィルターとエバポレーターにカビや細菌が繁殖しやすい理由
エアコンフィルターとエバポレーターはカビや細菌が繁殖しやすいところです。繁殖しやすい理由について解説します。
エアコンフィルターのゴミやホコリがカビや細菌の栄養分になる

エアコンフィルターで捕捉したゴミやホコリが、カビや細菌の栄養分になってしまいます。エアコンフィルターが目詰まりすると風の通りが悪くなり、フィルター内部に湿気がこもって湿度が高まります。湿度の上昇により捕捉したゴミやホコリにカビや細菌が繁殖してしまうのです。
また、エアコンフィルターが詰まって捕捉できなかったゴミやホコリは、エバポレーターなどに堆積します。エアコンフィルターの詰まりはカビや細菌の発生につながるので、注意が必要です。
エバポレーターが自然乾燥しにくいためカビや細菌が発生する

エバポレーターに発生した結露がカビや細菌の原因になってしまいます。エバポレーターやエアコンユニットは構造的に奥まった位置にあるため、結露した水滴が自然乾燥しにくいのです。
内部に残った水滴は、直接拭いたり、清掃したりできないので、湿度の高い状態をつくり出してしまいます。エバポレーターやエアコンユニット内部の湿度の高い環境が、かビや細菌の増殖を促してしまうのです。
車のエアコンが臭くなる前にやるべき3つの対策

エアコンの臭いが酷くなると、気分が悪くなったり、体調に支障をきたしたりしてします。普段の使い方を少し工夫するだけでエアコンの嫌な臭いを予防することができます。車のエアコンが臭くなる前にやるべき3つの対策は以下の通りです。
エバポレーターを乾かすためエンジンを切る前に送風する
エアコン使用後、エンジンを切る前に「外気循環モード」で2〜3分送風運転をさせて、エバポレーターを乾かしましょう。
送風運転を行うのは、エバポレーターに付着した水滴による湿度の上昇を防ぐためです。湿度の上昇を防ぐことで、カビや細菌の発生を抑制することができます。
1年を通じて定期的にエアコンを使用する
1年を通じて、定期的にエアコンを使用しましょう。月に1~2回、フロントガラスに送風するデフロスタ運転なども行います。定期的にエアコンシステムの換気をすることで、カビや細菌の発生を抑えられのです。
車内の清掃を習慣化する
車内にゴミを残さない、こぼした物はすぐ拭き取る、フロアマットやシートを清掃する、といった車内の掃除を習慣化しましょう。
車内をキレイに保てれば、ゴミやホコリの量を減らし、臭いの元になることを防げます。
エアコンが臭いときの解決方法|エアコンフィルター点検・交換とエバポレーター清掃
エアコンを使うと嫌な臭いがするときは、エアコンフィルターとエバポレーターにカビや細菌が発生している可能性があります。
エアコンフィルターの点検すべきポイントと交換の目安、エバポレーターの清掃方法について解説します。
エアコンフィルター点検・交換時のポイント

エアコンフィルターの点検すべきポイントは以下の通りです。
- エアコンフィルターが目詰まり、もしくはカビが発生していたら交換する
- エアコンフィルターの点検・交換方法は車種によって異なります。ネットで調べるか、プロに依頼しましょう。
- エアコンフィルターの交換は1年または1万〜1.5万km走行後が目安
- エアコンフィルターの交換は期間もしくは走行距離を目安にします。期間が経過するとエアコンフィルターの性能が低下し、走行距離に比例して目詰まりするからです。
- 交換の際は「抗菌・消臭機能付きフィルター」を選ぶと効果的
- 車種によっては機能が追加されている高機能エアコンフィルターが設定されています。臭いやカビ・細菌の発生を抑えたいのであれば、抗菌・消臭機能付きフィルターを選ぶと効果的です。
エアコンフィルターは空気をキレイにする作用もありますが、放ったままでは臭いの原因にもなってしまいます。エアコンフィルター本来の性能を発揮させるためにも、定期的に点検するようにしましょう。
エバポレーター清掃には簡易清掃と本格清掃の2パターンがある

エバポレーターの清掃には大きく分けて2パターンあります。ひとつは、車両からエバポレーターを取り外さずに、洗浄剤などを吹き付ける簡易清掃のパターン。もうひとつは、車両からエアコンユニットごとエバポレーターを取り外して、汚れを確認しながら本格清掃するパターンです。
本格清掃の方は、エバポレーターだけでなく水滴が溜まるエアコンユニットの清掃もできます。本格清掃の方が臭い対策としては万全ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
簡易清掃|エバポレーターを取り外さない
エバポレーターは奥まった場所にあるので、ほとんどの車両で簡単に取り外すことができません。エバポレーターを取り外さずに、エバポレータのみを清掃する方法が簡易清掃です。
エバポレーターの簡易清掃では、長いノズル付きのエアコン洗浄スプレーを使用します。長いノズルを使い、洗浄剤をエバポレーター付近へ吹き付けて、エバポレーターを洗浄します。
本格清掃|エバポレーターを取り外す
エバポレーターを取り外して汚れを確認しながら清掃します。確実に効果はでるのですが、技術力が必要な作業のため、施工できる工場が限られます。作業時間もかかってしまい、高額修理になります。
簡易清掃と本格清掃の違いを表にまとめました。想定している車種は1,500ccクラスのコンパクトカーです。
項目 | 簡易清掃 | 本格清掃 |
作業時間 | 20分~60分 | 1日~3日 |
費用 | 3,000円~6,000円 工賃 + エアコン洗浄剤 | 30,000円~80,000円 工賃 + エアコン洗浄代 + 部品代 |
作業内容 | エバポレーター付近へ洗浄剤を吹き付ける。汚れはエアコン・ドレーンホースを通って室外へ排出。 | エバポレーターと水滴が溜まるエアコンユニット清掃が含まれる。 臭いの元を確認しながら清掃。 |
メリット | 一定の効果が期待できる。 自分で実施することも可能。 作業を受けてくれるところが多い。 安価 | 確実に効果あり。 室内で結露する部分の清掃がまとめてできる。 |
デメリット | カビや細菌が除去しきれない場合がある。 | 費用・時間ともに、かかってしまう。 作業を受けてくれるところが少ない。 |
臭いの程度によって、必要な作業が変わってきます。作業内容に関しては整備工場などへ相談しましょう。
まとめ|車のエアコンの臭いは対策できる

車のエアコンの臭い対策は、臭いの原因であるカビや細菌を繁殖させないことです。車内はカビや細菌の発生条件がそろってしまうことがあり、エアコンフィルターやエバポレーターは特に注意が必要です。
エアコンフィルターやエバポレーターは役割・作用からカビや細菌の温床になりがちです。エアコンが臭くなる前にやるべき3つの対策は以下の通りです。
- エバポレーターを乾かすため、エンジンを切る前に送風する。
- 一年を通じて定期的にエアコンを使用する。
- 車内の清掃を習慣化する。
エアコンが臭い時の解決方法は以下の通りです。
- エアコンフィルターを点検して、交換時期かを判断する。
- エバポレーターの清掃を検討する。臭いの程度によって清掃方法を選ぶ。
快適なカーライフにエアコンは欠かせません。定期的にエアコンをメンテナンスして、エアコンの嫌な臭いで悩むことのないように対策していきましょう。