スタッドレスタイヤの寿命は【5年が目安】交換基準3選と長持ちさせるコツについて解説!

数年前に購入したスタッドレスタイヤが、今年も安心して使えるか、とても気になりますよね。実はスタッドレスタイヤには使用期間による寿命の目安があります。ゴムの硬化によって、雪道でのグリップ力が低下していくのです。

この記事では、「使用開始から5年」というスタッドレスタイヤの寿命を目安に、知っておくべき交換基準3選、タイヤを長持ちさせるコツ4選について解説します。

この記事を読めば、スタッドレスタイヤの性能が低下する理由や、タイヤのプロの判断基準を知ることができます。

使用限度の目安である5年を超えたスタッドレスタイヤでは、安全に雪道を走ることはできません。スタッドレスタイヤを正しく点検して、冬シーズンに向けて準備をしていきましょう。

溝が残っていても危険?スタッドレスタイヤの寿命が5年な理由

スタッドレスタイヤが安全に使用できるかの目安は残り溝の深さではなく、使用した期間が重要です。タイヤの溝が残っていたとしても、使用期間が経過していると、スタッドレスタイヤで最も重要なゴムの柔らかさが失われてしまうからです。

スタッドレスタイヤはゴムの柔らかさが重要

ゴムが柔らかいスタッドレスタイヤで雪道を走行している画像

スタッドレスタイヤの寿命はゴムの柔らかさに直結しています。スタッドレスタイヤが雪道や凍結路でグリップ力を発揮できるのは、低温でも柔らかさを保つ特殊なゴムを使用しているからです。

凍結した路面は、一見滑らかに見えても微細な凹凸になっています。スタッドレスタイヤの柔らかいゴムは、この凹凸にしっかりと密着し、路面を掴むことでグリップ力を発揮します。しかし、年数が経過していくとゴムは硬くなってしまい、路面の凹凸に密着しきれなくなってしまうのです。

これらの理由から、ゴムが硬くなったスタッドレスタイヤは雪道で滑りやすくなってしまいます。溝が残っているスタッドレスタイヤでも、安全に走行できるとは限らないのです。

「使用期間5年」が寿命の理由

多くのタイヤメーカーが、スタッドレスタイヤの点検時期を使用期間から5年としています。期間の経過で注意喚起しているのは、ゴム質の硬化が発生するからです。

»ブリヂストンタイヤ|スタッドレスタイヤの寿命は何年?年数の目安と交換タイミングの見分け方(外部サイト)

スタッドレスタイヤのゴムには、低温でも柔らかさを保つための特殊なオイル成分が含まれています。しかし、この成分は期間の経過や熱、紫外線の影響で徐々に空気中に揮発してしまうのです。

オイル成分が抜けると、スタッドレスタイヤ特有のゴムの柔らかさが失われます。タイヤメーカーが「使用期間5年」と明記しているのは、タイヤの硬化が予想される年数だからです。

タイヤの製造年月も寿命に関係する

タイヤの製造年月は、タイヤ側面の刻印で判断できます

タイヤ側面に刻印されている製造年月も、タイヤの寿命に関わる重要な要素です。

タイヤは未使用で適切に保管されていても、少しずつ経年劣化していきます。製造から3年以上経過したタイヤは、使用開始時期に関わらず、ゴムが劣化している可能性があるのです。

タイヤの製造年月はタイヤ側面に刻印された4桁の数字で確認できます。画像例の「4019」は2019年の第40週目に製造されたことを示しています。

タイヤの寿命は使用期間と製造年月が大きく関係しているのです。

»ダンロップ|スタッドレスタイヤの基礎知識Q&A(外部サイト)

【今すぐ交換するべき】スタッドレスタイヤの交換基準3選

スタッドレスタイヤの交換時期は、タイヤの状態によってより正確に判断できます。ここでは、今すぐ交換するべき具体的な交換基準3選を解説します。

プラットフォームがスタッドレスタイヤとしての使用限度

スタッドレスタイヤのプラットフォームを示した画像

スタッドレスタイヤの使用限度を示す、最もわかりやすいサインがプラットフォームの露出です。

この小さな段差がタイヤの摩耗により露出してきたら、スタッドレスタイヤとしての性能はありません。

プラットフォームが露出したタイヤは雪道での安全性が確保できないため、交換が必要です。

タイヤのひび割れは見た目以上に深い

タイヤのカットモデルを使用して、ひび割れの状態をチェックしている

タイヤ側面や接地面のひび割れは、ゴムの弾力が失われている危険サインです。タイヤのひび割れが酷くなると、ゴムが剥離してバースト(破裂)の危険があります。ただし、どの程度のひび割れが危険かを目視だけで判断することは難しいです。タイヤのひび割れは見た目以上に深い場合があるからです。

画像はタイヤ側面をカットしたものです。ひび割れが目立たないように見えても、変形させるとひび割れが発生していることがわかります。見た目で問題なさそうなタイヤでも、実はひび割れが発生している、というケースは多いのです。

スタッドレスタイヤは保管期間が長くなります。冬のシーズン前にしっかりとひび割れの点検を実施して、目立ってきたらタイヤ交換を検討しましょう。

硬度計でタイヤの硬化状態を点検する

硬度計を使用してスタッドレスタイヤのゴムがどれくらい硬化しているかのチェック画像

タイヤのプロが交換時期を判断する基準のひとつが、硬度計を用いたゴムの硬さ測定です。年数や見た目では判断できない、ゴムの柔軟性を数値化して判断できるからです。

ブリヂストン製硬度計では、以下のように表示されます。

硬度計・数値(色)状態
35~55(緑)良好
55~60(緑)要注意
60以上(赤)要交換

硬度計を個人で用意するのは難しいので、自動車ディーラーやタイヤ専門店などで点検を依頼しましょう。タイヤ硬度が60以上だとゴムが硬化しており、スタッドレスタイヤとしては機能しないので、交換が必要です。

【知らないと損】スタッドレスタイヤを長持ちさせるコツ4選

スタッドレスタイヤは日頃のちょっとした工夫で寿命を延ばすことができます。タイヤを長持ちさせるコツ4選を解説します。

【理想は屋内保管】保管状況で寿命が大きく変わる

タイヤ保管の理想は屋内保管です。ですが屋外保管の場合でもタイヤカバーを使用すればタイヤの劣化は防げます

スタッドレスタイヤの寿命を延ばすために、適切なタイヤ保管をしましょう。スタッドレスタイヤの劣化を最小限に抑えることができるからです。理想は屋内保管ですが、紫外線・熱・水分を避けられる状況であれば、ゴムの柔軟性を維持することができます。

チェックポイント

🔸直射日光を避けた涼しい暗所で保管

🔸ホイール付きの場合は空気を少し抜いて、平積みで保管

🔸タイヤカバーなどを使用して、雨・紫外線から保護する

自宅での保管が難しければ、タイヤを預かってくれる「タイヤ保管サービス」もあります。自動車ディーラーやタイヤ専門店などで確認してみましょう。

タイヤの空気圧を適正に調整する

タイヤの空気圧を車両指定の適正値に保つことが、スタッドレスタイヤの寿命を延ばします。空気圧が適正値でないとタイヤの偏摩耗につながり、交換時期が早まってしまうのです。

空気圧が低すぎるとタイヤの接地面が広がり、タイヤの両端が早く擦り減ってしまいます。また、空気圧が高すぎるとタイヤの中央部分だけが摩耗してしまいます。

スタッドレスタイヤの早期摩耗を防ぎ、寿命を延ばすためには、適正空気圧への調整が必須です。

残り溝があるタイヤを駆動輪へ履かせる

スタッドレスタイヤを装着する際は、溝が残っているタイヤを駆動輪へ履かせるようにしましょう。駆動輪は、あらゆる走行時で負担が大きく、摩耗しやすいためです。

車両が前輪駆動車か後輪駆動車、もしくは4輪駆動車なのか、確認しておきましょう。車両に合わせて適正にタイヤを装着することで、スタッドレスタイヤの寿命を延ばすことができます。

急のつく運転をさける

急発進・急ブレーキ・急ハンドルなどの「急」のつく運転を控えることで、スタッドレスタイヤを長持ちさせることができます。

「急」のつく運転は路面と強い摩擦を発生させ、接地面のゴムを削ってしまうのです。強く消しゴムを擦ると早く削れてなくなってしまうのと同じです。

日頃から安全運転を心がけていると、結果としてスタッドレスタイヤの長持ちにもつながります。

スタッドレスタイヤを夏に履くデメリット

スタッドレスタイヤを夏に履くメリットはありません。

夏におけるスタッドレスタイヤは全ての性能面でサマータイヤに劣ります。摩耗したスタッドレスタイヤを履きつぶす以外は時期をみてタイヤを履き替えましょう。

スタッドレスタイヤを夏に履き続けるデメリットは以下の通りです。

タイヤの摩耗が極端に早くなる

スタッドレスタイヤを夏の舗装路面で履き続けると、極端に摩耗してしまいます。

夏の高温のアスファルトは柔らかいスタッドレスタイヤのゴムが摩耗しやすいのです。冬の低温を想定しているスタッドレスタイヤでは、夏の高温に耐えることができません。

燃費が悪くなる

スタッドレスタイヤはサマータイヤと比べて燃費が大幅に悪化します。

スタッドレスタイヤの柔らかいゴム質と雪道を走るための細かい溝が、ころがり抵抗(摩擦抵抗)となるからです。

夏はエアコンの使用で燃費が落ちやすい季節です。燃費を悪化させないためにも、スタッドレスタイヤの使用はやめましょう。

走行安定性にかける

夏にスタッドレスタイヤで走行すると、走行安定性が悪くなります。柔らかいゴムが高温下でさらに柔らかくなり、タイヤが大きくたわむからです。

交差点の右左折時や高速走行時などでは、より顕著に車両がふらつきます。スタッドレスタイヤを夏に履き続けることは、おすすめできません。

まとめ|雪道を安心安全に走るために今すぐタイヤを点検しましょう

スタッドレスタイヤの寿命は残り溝よりもゴムの柔らかさで決まります。使用開始から5年を目安にゴムの硬化が始まり、氷雪路でのグリップ力は失われていきます。

スタッドレスタイヤの安全基準と点検するべき項目は以下の通りです。

  • 使用期間は5年を過ぎていないか?
  • タイヤの製造年月日を確認しましょう
  • プラットフォームは露出していないか?
  • タイヤのひび割れはないか?
  • 硬度計でタイヤの硬化状態をチェックする
  • タイヤの空気圧を適正値に調整する
  • 残り溝のあるタイヤを駆動輪へ履く

スタッドレスタイヤは雪道での走行性能に直結します。安心安全な冬のドライブのためにも、しっかりとスタッドレスタイヤを管理していきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA