クルマを数年間使い続けていると、どうしても不満な点がでてきませんか?新しいクルマと比較してしまったり、なんとなく流行が気になってしまったり・・
私の場合は「もう少し純正HIDヘッドライト、明るくならないかな?」でした。普通に使えていたので、交換する必要性は全くありませんでしたが、他のクルマと比べると・・・
- イマイチ明るくない(近年のヘッドライトが眩しすぎる気もしますが・・)
- 車検が通るのは当然として、どうせなら灯色を少しだけ青色っぽくしたい!
そうだ!HIDバルブを変えてみよう!となったわけです。
今思えば、本当に止めておけばよかった・・と後悔しかありません。
さっそくHIDバルブを調べてみた!
アマゾンで社外HIDバルブを調べてみました。まさにピンキリではありますが、「こんなに激安のHIDバルブがあるのか!」と驚きました。私の場合は純正HIDバルブの価格はおおよそ知っていたので、尚更でした。
価格(税込) | ケルビン数値 | バルブ型式 | 色 | |
純正HIDバルブ | 1個¥17,270 | 4050ケルビン | D2S | 白色 |
激安HIDバルブ | 2個セット¥1,980 | 6,000ケルビン | D2S | 青白色 |
- 純正が高額なのはわかるが、こんなに金額差があって逆に不安・・
- 商品レビューもいいことしか書き込みないけど、本当か?
- でも結局、部品交換してみないと、良し悪しってわからないよぁ・・・
- 激安HIDバルブがダメだったら、あきらめて純正に戻せばいいか(笑)
激安HIDバルブで想定される不具合としては「点灯しないこと」と考えていたので、この金額だったらあきらめがつくと思い、さっそく購入して取り付けしてみました。
激安HIDバルブの実力を試してみたくなってしまいました・・
取り付けは確実にしたかったので、ヘッドライトを取り外して行いました。
慎重にソケットを左回転させて取り外します。
固定しているスプリングを外すと、HIDバルブが取れました!この純正HIDバルブはまだ使えそうなので、一応保管しておきます。組付けは分解の逆の手順で行い、ヘッドライト本体を車両に組付けました。
激安HIDバルブを装着してみた!なかなかいい感じ!
取り付けも完了して、さっそく点灯!激安HIDバルブの実力はどうか?そもそも点灯してくれるのか?
点灯させてみた感じでは・・なかなか良い!という印象でした。
- バルブの点灯立ち上がりも悪くない。
- ヘッドライト灯色もやや青味がかかってる感じで、たぶん車検は大丈夫かな?
- カットラインもキレイに出ている、気がする。
- 耐久性に不安はあるけど、純正HIDバルブにいつでも戻せるし。
激安にしては納得のいく商品だったので、そのまま使い続けていました。そして約1年間(12カ月)が経過したころ、異常が発生しはじめました・・
ヘッドライトがちらつく?気のせいか・・
ヘッドライト点灯時の走行中に気になることが起こりはじめました。
「左ヘッドライトがちらついている?」
運転していると、左ヘッドライトロービームが消灯する瞬間があるような・・走行中は自車のヘッドライトを直接見ることができないので、道路や前方車両などの照射状態で気をつけていたところ、間違いなく一瞬消灯しておりました。
「激安HIDバルブ購入して約一年か。値段の割にはよく使えたな。」と思いながら、交換する時間もあまりとれず、しばらくそのまま使用しておりました。しかし、その後症状はひどくなっていき・・・
- ヘッドライトがちらつく回数が増えてきた。
- 走行中の振動だけでなく、アイドリング時にも発生するようになってきた。
- ヘッドライトが点灯しない時間も長くなってきた。
使用していて「イヤだな・・」と感じたのが、ヘッドライトのちらつきが前方車や対向車から「パッシング」していると思われないかな?ということでした。トラブルにはしたくないので、ここでようやく純正HIDバルブに戻すことにしました。ところが・・・!
純正HIDバルブに戻せば大丈夫でしょ!交換しようとしたが、まさかの事態が・・
それでは、HIDバルブを純正に戻していきましょう。前回同様にヘッドライトを外し、ソケット部を回転させてHIDバルブを交換しようとしたところ・・
「ソケットが回らない?!・・」
最初は力加減がよくないのかな?と考え、一旦右側のヘッドライトと比較してみました。右側は普通に取り外すことができました。ということは、左と右のヘッドライトで何か違いが発生している?―ソケット部の固着?と考えました。
何にせよソケットを外さないと、先に進めないのでプライヤーを使うことにしました。社外HIDバルブはすでに不具合を起こしていると思うので、HIDバルブは破損してもやむなし!でもヘッドライトは高額部品なので絶対に壊したくない!ヘッドライト本体は樹脂製なので、無理に力を加えると破損したり、変形してしまいます。それだけは、どうしても避けたい・・ 慎重にかつ思い切ってソケットを回転させてみます。
・・めちゃくちゃ固くて回らん・・ゆっくり慎重に作業します。 せめてヘッドライトは無事であってくれ!でもこの感じ、何かが起こっている・・ もはや、嫌な予感しかしません・・
ソケットを強引に回転させて、取り外したところ、想定外の事態が発生しておりました。
HIDバルブ端子部分およびヘッドライトソケット部での溶損が発生しておりました・・・
取り外しをした社外HIDバルブの比較画像です。
ソケットが回らなかったのは、バルブ端子部分で溶着していたためでした。左ヘッドライトがちらついたり、点灯しなくなっていたのは、HIDバルブ本体というより、この端子接触部で導通不良が発生していたようです。
残念ながら、この時点でヘッドライト交換が確定・・ この車両のヘッドライトソケット部は純正部品で設定がなく、ソケットのみの交換はできないのです。HIDバルブでこの不具合は想定外でした。ハロゲンバルブの場合、ワット数を上げると発熱量も増えてしまうので、端子が溶けるなどの不具合経験はあったのですが、HIDでこれは初めての経験でした・・
いまさらですが、激安HIDバルブと純正HIDバルブを比較してみた!
起こってしまったものは仕方ない・・せっかく分解しているので、まだ溶損していない社外HIDバルブと純正HIDバルブをあらためて比較してみました。
見た目はあまり変わらず、台座位置と発光位置の比較。これも極端に変化ないです。
端子部の形状が若干違います。形状や端子部高さの違いがあると接触不良になりそうな気がしますが、これが原因とは言い切れないです。
そういえば、数年前に自動車メーカー スズキ株式会社からHIDバルブおよびソケット交換のリコールが発表されていましたね。この症状に近いのかな?参考までにリンクを貼っておきます。https://www.suzuki.co.jp/recall/car/2020/1119b/
今回の不具合で考えられる原因としては
- HIDバルブの取り付けミス
- HIDバルブ本体の製品不良
どちらも考えられそうです。今さらではありますが、最初にヘッドライトのちらつき現象が発生したときに、点検をしていればここまでの状態にはならなかったのが悔やまれます・・社外部品は何が起こるかわからないので、自分の判断だけではダメ、ということですね。
耐久性・適合性・安心感で言えばやはり純正品!
結論としては、耐久性・適合性・安心感を求めるならば、純正部品の使用をオススメします。
純正部品は、自動車メーカーがその特定の車種に装着し、適合試験を行い保証期間などの設定もされています。一方、社外部品メーカーは全ての車種に装着して適合試験を行うことが難しいため、決められた規格に基づいて製造し、限られた車種でしか適合試験を行うことができません。そのため、社外部品は車種に対しての相性という、装着してみないとわからない要素が発生してしまいます。
自動車メーカーによっては、例えばHIDバルブの「D2S」という規格バルブにしても、何種類か車種によって部品を設定しているのは、そのためです。
純正部品は確かに高額で、社外部品と金額だけ比較すると疑問に思われることもあるでしょうが、それなりの理由があります。耐久性・適合性・安心感を求めるならば、純正部品の使用をオススメします。
純正部品の性能を超える社外部品もある
では、全て純正部品でないとダメなのか?と言われれば、そんなことはありません。純正部品は確かに耐久性・適合性に関しては一定の水準をクリアしておりますが、商品性として見たら万人向けに設定されているので「無難」な商品にせざるを得ません。
- 純正部品では物足りず、自分好みにカスタムしたい
- 純正部品より性能が高いものが欲しい
このように考えるのであれば、実績があり、信頼できるメーカーを選びましょう。以下でHIDバルブに関して実績のあるメーカーを紹介いたします。今さらですが私もこれらを選んで購入すればよかった・・と思っております。価格としては、それなりになってしまいますが、安心感と購入後の満足度は高くなるはずです。
PHILIPS(フィリップス)
PHILIPSは、1891年創業のオランダに本社を置く世界的な電機メーカーです。自動車照明の分野では1991年、PHILIPSはキセノンHID技術を世界で初めて実用化し、自動車照明に革命をもたらしました。キセノンHIDは従来のハロゲンバルブと比較して、夜間走行時の視認性と安全性が大幅に向上しました。PHILIPSのHIDバルブは、高品質な素材と確かな製造技術により、優れた耐久性と安定した性能を誇ります。特にUVカット石英ガラスの採用により、極端な温度変化や振動に強く、バルブの破裂リスクを低減しています。現在、PHILIPSのHIDバルブは世界中の自動車メーカーに採用されており、ヨーロッパでは2台に1台、世界では3台に1台の車にPHILIPSの照明が搭載されています。100年以上にわたる照明技術の革新と、自動車産業との密接な協力関係により、PHILIPSは自動車照明のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
IPF(アイピーエフ)
1946年創業時、小部品のプレス加工から始まり、今や70年以上の歴史があるIPF。自動車用照明部品や器具などの開発・製造・販売まで自社で行っている実績のある国産メーカーです。明るさの持続性や左右の色違い対策、車検対応モデルの豊富さが評価されており、特定の車種(ジムニー、デリカD:5、ハイエースなど)向けの製品も提供しています。またパーツショーや各地のイベント参加などにも積極的に取り組まれています。
PIAA(ピア)
1963年創業時はオイルフィルターや補修用電球などを展開していた国内メーカー。「カー用品でNo,1の一流ブランドになること」を変わらない目標として掲げ、自動車だけでなくオートバイ用の部品も多数ラインナップしています。HIDバルブやLEDランプなどの評判もよく、モータースポーツシーンでもヘッドライトなどのパーツを供給しております。また「Terzo」(テルッツォ)名義でアウトドア用品にも力を入れており、ルーフキャリアやルーフボックスなどでも高い評価を得ています。
HID屋
自動車の灯火装置に関わる、HIDバルブ・LEDバルブなどを専門で開発・販売しているメーカーです。HID屋の特徴は耐久性・コストパフォーマンスに優れた製品を数多くリリースし、価格に対しての明るさ・配光性能に関してかなりの高評価を得ています。またホームページにて取り付け業者の紹介も行っているので、ご自身での装着が不安であれば、参考にしてみてください。
まとめ
今回は社外HIDバルブを約1年間使ってみた結果を記事にしてみました。
取り付けしたときは、値段の割に明るいし、色味も変わって交換して良かった!と思っていたのですが、こんなことになるとは、思ってもいませんでした。今さらですが、少しでも異常を感じたら早めの点検ですね・・面倒くさがっていては、取返しのつかないことになりかねないので、皆さんもご注意下さい・・
今回のようなことはあまりないとは思いますが、修理の際には値段だけで部品を選ばないようにしましょう!
皆さんの充実したカーライフの一助になれれば幸いです。今回もご一読ありがとうございました。